
試乗日:2009年4月28日
ロケ地:ドイツ・バイザッハ周辺
天候:晴れ
文:河村康彦
撮影:ポルシェ・ジャパン
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生まれも育ちもサーキット。そんなフレーズで紹介をしたくなるのが、『GT』の記号を備えるポルシェ911。
『911GT1』は、ル・マン24時間レース制覇のために生まれ(そ1998年のレースで総合優勝)、『GT2』はターボチャージャー付でオーバー500psを発する心臓を搭載した、「最強の911」。
『GT3』はどうかと言えば、こちらはF1レースの“前座イベント”としてお馴染みのポルシェ・カレラカップ・レースのベースマシン。文句なしの「特別な911」なのだ。
しかも、ボディ後端に搭載をされる水平対向6気筒のエンジンは、『GT1』のデチューン版だ。クランクケース別体型のシリンダーブロックや、カムシャフト・ハウジング別体型のシリンダーヘッド、チタン製コンロッドがそのことを如実に証明している。
試乗日:2009年4月28日
ロケ地:ドイツ・バイザッハ周辺
天候:晴れ
文:河村康彦
撮影:ポルシェ・ジャパン
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“猫背型”をした独特のクーペプロポーション後端に、水平対向6気筒のエンジンを低く搭載。そして、エンジン前方に置かれたトランスミッションを介して後輪を駆動。
911の45年にも及ぶ不変の基本パッケージは、最新のGT3でも変わりはない。このレイアウトがもたらす最大の特長は、圧倒的に高いトラクション能力だ。
リアに搭載されたエンジンの重量が、駆動輪である後輪に掛かり、大パワーへの手綱の役目を担ってくれるのだ。
車内に目を移そう。
ショート・ホイールベースのため後席足元はタイトで、さらに後ろ下がりのルーフラインが頭上空間を奪い取る。2 2シーターとはいえ、後席スペースが非常にタイトなのが911の現実だ。が、GT3にはタイトな後席そのものが存在しない。
サーキット走行をも強く意識し、軽量化を大きなテーマのひとつとしているからだ。カレラ・シリーズが導入したデュアル・クラッチ・トランスミッション“PDK”を敢えて積まないのも、オーソドックスなMTの方が30kg以上軽量になるからだという。
試乗日:2009年4月28日
ロケ地:ドイツ・バイザッハ周辺
天候:晴れ
文:河村康彦
撮影:ポルシェ・ジャパン
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最新のGT3は従来型でも圧倒的と思えた加速力をさらに凌ぐ速さを、あらゆるシーンで味わわせてくれる。
3.6リッターから3.8リッターへと排気量アップされた新しい心臓は、従来型比20psアップの435psという途方もない最高出力を発揮。 典型的な高回転型で、4200rpm付近を境に迫力ある咆哮を高めると同時に、アクセル・レスポンスもグンとシャープさを増して行く。
ドイツで開催された国際試乗会では、速度無制限のアウトバーン上を試す機会もあったが、そこでは「あっという間に時速270km」という印象だった。カタログ上の最高速である時速312kmも、コンディションが整えば、苦も無くマークするに違いない。
街乗りでの扱いやすさもこのクルマの美点だ。排気量のゆとりが大きく影響していそうだ。
さすがにクラッチペダルの踏力はそれなりに重いが、そこに神経質なコントロールは必要ない。GT3としては初採用のスタビリティ・コントロールシステム“PSM”も、日常シーンでの安心感を大きく高めてくれるアイテムだ。
試乗日:2009年4月28日
ロケ地:ドイツ・バイザッハ周辺
天候:晴れ
文:河村康彦
撮影:ポルシェ・ジャパン
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GT3のハンドリングは、ピュア・スポーツカーそのもの。ドライバーの操作が、そのまま忠実に挙動として反映される。
スタート時にラフなクラッチワークを行なえば、スムーズさを欠いたものとなり、“鈍”なステアリング操作では、滑らかな走行ラインを描くことができない。
しかしそれは同時に、スキルに富んだドライバーの手に掛かれば美しく、かつ素早い走りを実現してくれる事を意味している。GT3とは、一流の料理職人の腕に応えてくれる、「切れ味優れた包丁」の自動車版なのだ。
足まわりは、サーキット走行をも強く意識しているため、ハードなセッティングとなっている。時速40km、あるいは時速50kmという速度でマンホール上を通過すれば、その表面上に描かれた図柄の凹凸を感じとれるほどだ。
一方で、3桁スピードへと達すると強いフラット感が生まれる。電子制御の可変減衰力ダンパー“PASM”の絶大な仕事を実感出来るところだ。
試乗日:2009年4月28日
ロケ地:ドイツ・バイザッハ周辺
天候:晴れ
文:河村康彦
撮影:ポルシェ・ジャパン
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GT3の日本での価格は、1712万円。911シリーズのベーシックモデルであるカレラクーペが1162万円なので、その差は550万円。さてこの差をどうみるかだ。
911が生粋のスポーツカーとは分かっていても、自分が乗るのは街中が主体。そうしたシーンでは、カレラクーペで4000rpmも回せば十二分な加速力が得られるし、自らでサーキットを走ってみたいとは正直思わない-そんな人にとって、この550万円の差はとても大きいと感じられるに違いない。
一方で、“PDK”がいかに素晴らしくとも、911の醍醐味はやはりMTを操ってこそ。エンジンをレッドラインまで回してポテンシャルをフルに味わってみたいし、サーキットで限界走行も試してみたい-そんな人にとってGT3はきっと羨望の存在。その思いが募るほどに先の価格差は小さく感じられるようになって行くはずだ。
つまりGT3とは、911が今でもサーキットとは切っても切れない間柄ある事を強くアピールする1台なのだ。
試乗日:2009年4月28日
ロケ地:ドイツ・バイザッハ周辺
天候:晴れ
文:河村康彦
撮影:ポルシェ・ジャパン
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