
試乗日:2009年10月16日
ロケ地:ポルトガル・リスボン近郊
天候:晴れ
文:河村康彦
撮影:ポルシェ・ジャパン
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1974年のパリ・モーターショーで初代911ターボが発表をされてから今年で35年。「そんな歴史の中で初の全面リニューアル」を謳うエンジンが搭載されたのが、この9月に開催されたフランクフルト・ショーでお披露目をされた最新の911ターボだ。
新開発エンジンは、従来型の3・6から3・8リッターへとスープアップされると共に、すでに発売済みの最新カレラ・シリーズと同様に直噴ヘッドを採用。一方で、別体式ベアリングケースを持つ2ピース・クランクケースを1ピース構造に変更するなどで、重量をおよそ12kgも軽減させるといった特徴も持つ。
そんなエンジン関係のトピックと共に、デュアル・クラッチ式のトランスミッション“PDK”の新設定や、ポルシェ初の左右間駆動力配分システム“PTV”、『GT3』に先行設定された電子制御式の“ダイナミック・エンジンマウント・システム”のオプション設定など、マイナーチェンジとはいえ最新テクノロジーを惜しげもなく投入するあたり、いかにもポルシェ流儀のリファインと言える。
試乗日:2009年10月16日
ロケ地:ポルトガル・リスボン近郊
天候:晴れ
文:河村康彦
撮影:ポルシェ・ジャパン
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RR方式という昨今では稀有なメカニカル・レイアウトを軸に成立する911の独特なパッケージング・デザインには、もちろん今回も大きな変更は見られない。エクステリア上で“最新型”である事をアピールするのは、すでに発売済みの最新カレラ・シリーズに準じた、新デザインのリア・コンビネーションランプやクローム仕上げのステンレススチール製テールパイプなどという事になる。
フロントマスクは、一見従来型に対して大きな変更は感じられないものの、フォグライトが廃止をされ、欧州仕様ではデイ・ランニングライトの機能が与えられた。
120km/hに達すると、クーペでは35mm、カブリオレでは65mmというリフト量で上段ウイングが上昇する2段階リトラクタブル式のリア・スポイラーは、従来型からの踏襲。空気抵抗係数(Cd値)はクーペが0.31、カブリオレが0.32と発表されている。カタログ上では定員4名と記載されるものの、強く傾斜したルーフラインとタイトな足下のため、後席は「緊急用」の空間だ。
試乗日:2009年10月16日
ロケ地:ポルトガル・リスボン近郊
天候:晴れ
文:河村康彦
撮影:ポルシェ・ジャパン
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新エンジンを搭載する新しい911ターボ。その走りでまず驚かされるのは、日常走行シーンでの豊かなトルク感だ。「ターボ・エンジンは低回転トルクが弱い」という“常識”は、このモデルには全く当てはまらない。
それもそのはずで、このエンジンが発する650Nmという図太い最大トルクは、わずか1950rpmから得られる事になっている。もちろん、そんなエンジンの特性を巧みに引き出すべくセッティングされ、素早い変速を必要に応じて行なう“PDK”のプログラムも、そんな好印象を生み出すのに一役買っている。
一方で、この心臓が本領を発揮するのは、やはりアクセルペダルを深く踏み込んだシーン。ポルトガルで開催された今回の国際試乗会では、サーキット走行のセッションも用意され、怒涛の加速力を厭というほど堪能できた。低音成分が強調されたエキゾーストノートと共に脱兎のごとくコーナーを立ち上がる姿は、911ターボの典型的なファイティング・ポーズだ。
試乗日:2009年10月16日
ロケ地:ポルトガル・リスボン近郊
天候:晴れ
文:河村康彦
撮影:ポルシェ・ジャパン
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今回テストドライブを行ったモデルには、先に紹介のトルクベクトリング・システム“PTV”や、やはりオプション設定であるオーバーブースト機能を含んだ“スポーツクロノパッケージ・ターボ”が装着されていた。
それもあってか、サーキット・コースでのハンドリング感覚は「これまでのモデル以上に自在度が高い」という印象。中でも、アンダーステアが現れそうになった段階からアクセルペダルを踏み込むと、軽くテールが張り出しその傾向を打ち消そうという動きが感じられ、スタビリティ・コントロールのブレーキング機能を応用した“PTV”の巧みな働きをイメージする事が出来た。
一方、最高で500psに達する大出力を受け止めるため固められた脚が、路面の凹凸をそれなりにダイレクトに伝えて来る。ただし、特にクーペの場合はボディ剛性感が極めて高く、振動が素早く減衰されるので不快感は余り無い事は付け加えおきたいカブリオレはやはり振動の減衰に多少時間が掛かる印象。両者の差はそれなりに明確だ。
試乗日:2009年10月16日
ロケ地:ポルトガル・リスボン近郊
天候:晴れ
文:河村康彦
撮影:ポルシェ・ジャパン
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GT3にGT2と、『ターボ』以外にも“速い911”は存在する。しかし、“PDK”との組み合わせにより、プロドライバーの手に掛かったMT以上に素早く、適切なシフト操作が実現され、かつ4WDシステムを備える事からトラクション能力の点でも大きな余裕があり、このモデルの右に出る911は存在しない。
と同時に、これまで述べて来たように日常シーンではすこぶる扱いやすい一方で、アクセルペダルを踏み込めばまるで重力を無視するかのように怒涛の加速力を示すという、「ジキルとハイドぶり」もまた911ターボならでは。
911ターボとは、誰よりも速くあらゆる条件の中を駆け抜けるポテンシャルを備えつつ、日常のシーンではそれらを“ゆとり”に置き換えてのリラックスなクルージングを堪能出来る、そんなキャラクターを大きな売り物とするポルシェの一員なのである。
試乗日:2009年10月16日
ロケ地:ポルトガル・リスボン近郊
天候:晴れ
文:河村康彦
撮影:ポルシェ・ジャパン
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