
試乗日:2009年12月7日
ロケ地:米国・カリフォルニア
天候:晴れ
文:河村康彦
撮影:ポルシェ・ジャパン
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2009年末に開催されたロサンゼルス・モーターショーでリリースをされたボクスター・スパイダーを、ポルシェでは「シリーズの新たなトップモデル」と表現する。そう、これまでのボクスターの大きな売り物であった巧みな動きを行なう電動トップを廃し、エアコンまでをオプション設定に“格下げ”したこのモデルを、開発者自らが「ボクスターの頂点に立つモデル」と認めているわけだ。
装備を省いたモデルを、シリーズのイメージリーダーとして扱う真意はどこにあるのか? そう考えた時、自分は「このモデルこそが、開発陣が“本当に作りたかったボクスター”であるのだ」と気がついた。ベース・モデルに対するボクスター・スパイダー最大の特徴は、90kgに及ぶ軽量化策。そうした身軽さに加え、専用のローダウン・サスペンションなどを採用した事による、いかにもスポーツカーらしい身のこなしこそが、“本当に作りたかったボクスター”の姿を反映させているのだと思う。
試乗日:2009年12月7日
ロケ地:米国・カリフォルニア
天候:晴れ
文:河村康彦
撮影:ポルシェ・ジャパン
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ボクスター スパイダーのルックスは、ベースのボクスターに対して明らかに「地を這う感覚」が濃厚になっている。何しろ、その名に採用されたSpyderとは、“蜘蛛”という意味。ヒタヒタと素早く地表を這い進む生物を俊敏な動きを売りものとする車種にかけたのは、なるほど言い得て妙というものだろう。
基本骨格は、オリジナルのボクスターと共有をする。それゆえに、キャビンや前後に設けられたトランクルームの容量には、一切の変更がない。
にもかかわらず、一見での印象が大きく異なるのは、“ストライキング・ドーム”と呼ばれるアルミ製のリアリッドと、インテーク部分がより強調をされたフロントマスクの採用による部分が大きい。
「慣れれば数分で装着が可能」という2ピース・タイプのソフトトップを纏った姿も、オリジナルのボクスターとは大きく印象が異なる。米国カリフォルニアでのテストドライブは晴天に恵まれたが、“簡易型”のそんなソフトトップもそれなりに密閉感が高く、これならば雨天時も水漏れなどなさそうと思えたのは、さすがはドイツ・メーカーの作品という事だろうか。
試乗日:2009年12月7日
ロケ地:米国・カリフォルニア
天候:晴れ
文:河村康彦
撮影:ポルシェ・ジャパン
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ボクスター スパイダーに搭載される心臓は、3.4リッターの水平対向6気筒直噴エンジン。ベースのボクスターS用は最高出力が310psだが、こちらはケイマンSから移植の320psユニットを搭載する。
国際試乗会に用意されたモデルが、デュアルクラッチ“PDK”仕様があるにも関わらず、すべて6速MTだった点も、よりプリミティブなスポーツカーを目指したこのモデルの思いが込められているようだ。
そんなボクスター スパイダーの動力性能は、ベース車に対する違いを予想以上に実感させるものだった。クラッチ・ミートの瞬間から、加速力はすこぶる強力。そのままアクセルペダルを踏み加えると、ギア・ポジションなどの条件にかかわらず、ボクスターSよりも常にグンと豪快な加速を味わう事が出来た。
そんなゴキゲンな気分をさらに高めてくれたのが、きちんと“調律”されたエンジンサウンド。4000rpm付近からのパワーの一層の伸び感と共に、耳に届くクリアな高周波サウンドは、多くのスポーツ派ドライバーを虜にするだろう。
試乗日:2009年12月7日
ロケ地:米国・カリフォルニア
天候:晴れ
文:河村康彦
撮影:ポルシェ・ジャパン
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そんな動力性能に加え、ハンドリング感覚も痛快そのものだ。地を這う“スパイダー”という感覚は、まさにこの部分に集約されていると言っても良いだろう。
ほとんどロールを感じさせずにコーナーをクリアして行くさまは、いかにも低重心のスポーツカーならでは。実際、このモデルではサスペンション部分でオリジナル比20mmローダウン化し、さらにソフトトップ部分などの軽量化により重心高が25mmダウンしている。
結果としてボクスター スパイダーは、まさにドライバーの意のままの動きを実現させている。人間の筋肉のわずかな動きが、そのままクルマの動きに反映されるという点は、ポルシェの中でも特にスポーティな911GT3などと同様のテイストである事も特筆しておきたい。
ちなみに、いかにもミッドシップ・スポーツカーらしいキビキビとしたハンドリング感覚を味わわせてくれる一方、安定感に長けている事も加えておこう。このあたりでは、ベースのボクスター・シリーズの美点をしっかり受け継いでいるというわけだ。
試乗日:2009年12月7日
ロケ地:米国・カリフォルニア
天候:晴れ
文:河村康彦
撮影:ポルシェ・ジャパン
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1996年に初代ボクスターが誕生をして以来、すでに13年以上。その間、このモデルはポルシェ社に多大な利益をもたらし、そこに市場があると知ったライバル・メーカーからは様々なフォロワーが誕生した。
が、すでに第二世代のモデルを世に送り出した当のポルシェ社では、そうした成功を見届けた末に、「これが本来やりたかったボクスター」と、このスパイダーを送り込んで来た。期間や台数の限定モデルではなく、恒常的なカタログモデルとしてリリースをしたのも、そうした同社の思いと受け取って良いはずだ。
一方でこうなると、同様の軽量化手法やよりスポーティな足回りが与えられたクーペ・モデル、すなわちケイマンのホット・バージョンの可能性も取りざたされて来る。事実、そうしたモデルはその気になりさえすれば、ポルシェはいつでもリリースが出来るはずだ。
しかし、商品戦略上それは「決して開けてはならないパンドラの箱」だろう。何故ならば、そうした手法は同社にとって不可侵の存在である、911カレラを脅かすものに他ならないからだ。
試乗日:2009年12月7日
ロケ地:米国・カリフォルニア
天候:晴れ
文:河村康彦
撮影:ポルシェ・ジャパン
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